ことわざ
恨みに報ゆるに徳を以てす
意味
恨みのあるもの、ひどい仕打ちをしてきたものに対して報復するのではなく、温かい心で接することの大切さをたとえたもの。
類句
恩を以って怨みに報ず
仇を恩で報ずる
仇を徳で報ずる
仇を情けにひきかえる
対義
恩を仇で返す
補説
中国の思想家である老子が残した言葉から誕生したことわざです。「世の中には絶対的な美醜や善悪の定義はない」という思想を持っていた老子は、個人の内面よりも、社会全体のあり方や統治の原則に重点を置いて物事を考えていました。他者から受ける憎しみや悪意に対しても、親切で温かい対応を心がける、というのも、多くの人の上に立つリーダーとして必要な資質と考えると、納得がいきます。
「恨みに報ゆるに徳を以てす」の使い方

今のオンラインゲームって、チャットとかでコミュニケーションも取れるんだもんね。で、どうしたの?

どうやら子どもみたいだったから、一緒に遊んでアイテム分けてあげたらなつかれたニャン。オラ、今日もその子と一緒にゲームする約束してるんだニャンよ。

恨みに報ゆるに徳を以てすの態度でうまく子どもの懐に入り込んでるし、猫くんって、実は結構いいお兄ちゃんなんだよなあ…。
「恨みに報ゆるに徳を以てす」の例文(文学作品などの使用例)
- 私は日頃、小さいことも根に持つタイプだが、恨みに報ゆるに徳を以てす、と思って、怒りをこらえる習慣をつけることにした。
- 営業の仕事をしていると不条理なこともたくさんあるが、いつも仕事を教えてくれる先輩は、恨みに報ゆるに徳を以てすの精神が大事だと言っていた。
- 新しい会社で、なかなかみんなになじむことができずにいるが、恨みに報ゆるに徳を以てすを心がけていれば、徐々に人間関係も改善すると信じよう。
オンラインゲームをしてたら、ちょっと態度の大きい新入りがチームに入ってきてたんだニャン。