ことわざ
馬の耳に念仏
意味
いくら良いことを言い聞かせても、聞く耳をもたなかったり、まるで理解ができていない様子のたとえ。
類句
馬耳東風
馬の耳に風
犬に論語
牛に経文
牛に対して琴を弾ず
兎に祭文
糠に釘
豆腐に鎹
暖簾に腕押し
石に灸
石に針
沢庵のおもしに茶袋
汽車の後押し
網の目に風とまらず
籠で水を汲む
屋上屋を架す
屋下に屋を架す
月夜に提灯
闇の夜の錦
泥田を棒で打つ
竹藪に矢を射るよう
死に馬に鍼
氷に鏤
泥裡に土塊を洗う
権兵衛が種蒔きゃ烏がほじくる
骨折り損の草臥れ儲け
補説
相手の言葉に耳を傾けることをせず、そのありがたみを理解できない人を批判するニュアンスで使われることわざです。馬に念仏を唱えたところで、そのありがたみは理解できないだろう、ということを例えています。
古代中国で活躍した詩人である李白の詩の中の「東風の馬耳を射るが如き有り」という、優れた詩を理解できない人々への憤りをつづったこの一節が由来とされています。
この一文から類句にもある「馬耳東風」という言葉が生まれ、これが日本に伝わった際に「馬の耳に風」となり、次第に「馬の耳に念仏」へ変わったと言われています。
類句を見てもわかる通り、動物とありがたいものを対比にした同じ意味の言葉は複数存在していますが、中でもこの「馬の耳に念仏」は、最も耳にする機会が多いもののひとつといえるでしょう。
なお中国語、韓国語でも同様の意味のことわざが存在しています。
英語
There’s none so deaf as those who will not hear.(聞こうとしない者ほど聞こえぬ者はない)
英語の声:音読さん
「馬の耳に念仏」の使い方

なんせ世界レベルの劇団のミュージカルだからね、そりゃあ歌は心地よいし、いろんな気づきがある物語で、すばらしいんだよ…って、寝てるじゃない猫くん…うそでしょ…。

ムニャムニャ…いいところで起こしてほしいニャン…。

ちょっと猫くん、始まってまだ10分だよ…。ああ、ダメだ完全に寝ちゃった。苦労して取ったチケットだったけど、馬の耳に念仏だったか…。
「馬の耳に念仏」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・耳を持ってもらわなければ意味がないと思うのです。いくら深遠な話をしても、それこそ馬の耳に念仏のごとき話では何も伝わりません。一般レベルに合わせたほうが、単に仏教をわけの・・・花山 勝友(著)『大欲のすすめ』
- ・・・エベニーザーの宣言も馬の耳に念仏で、猛悪そのものの風貌をしたムーア人とその二人の盟友は、捕虜をせき立てながら・・・ジョン・バース(著)/ 野崎 孝(訳)『集英社ギャラリー「世界の文学」』
- ・・・要するに学長の私物を図書館の予算から購入するための隠れ蓑なんだよ。さすがに理事会から改善を勧告されているんだが、学長には馬の耳に念仏さ・・・紀田 順一郎(著)『第三閲覧室』
なんだかこのミュージカル、歌声が心地よい…ニャン…。