ことわざ
鶯鳴かせたこともある
意味
年老いた女性が、若かったころ、異性にもてはやされたことを誇示する言葉
補説
「梅干し婆はしなびておれど、鶯鳴かせたこともある」という言葉の一部です。
今は梅干しのようにしわしわのおばあさんでも、昔は鶯を呼び寄せ、歌わせるような美しい梅の花だった、と、異性にモテモテだった、娘盛りの時代があったことを誇示する言葉です。
鶯は、美しい梅の花(若い女性の比喩)に寄ってくる異性を表しています。
江戸時代に河竹新七が手掛けた歌舞伎・浄瑠璃の「質庫魂入替」に登場する「今は梅干婆アであれど、花の若い時ゃ色香も深く、鶯啼かせた事もある」という台詞が出典といわれています。
「今でこそ~だが、昔は自分も~だった」と、現代で言うところの「自慢風自虐」の形をとった言葉ですが、美しさや色香で異性を引きつけ、愛を歌わせた時代もある、という、考えようによってはなんだかロマンチックを感じることわざでもありますね。
「鶯鳴かせたこともある」の使い方

ん?どうしたの猫くん、藪から棒に。

オラは、先ほど本人に許可を取り、駄菓子屋のおばあちゃんの若いころの写真を手に入れてきたニャン。見るニャン?

そんなの、見るに決まってるじゃない!どれどれ…わあ、おばあちゃん、若いころすごいきれいだったんだね!?これは、たくさんの鶯鳴かせたこともあるんだろうなあ。
「鶯鳴かせたこともある」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・剛いという程でもございませんが、少しは鶯を鳴かしたこともございますよ・・・三代目 三遊亭円遊『落語 三年目の幽霊』
- 亡くなった祖母は、若いころはそれは綺麗で、鶯鳴かせたこともあるどころの騒ぎではない数の求婚を受けていたのだという。
- 数々の鶯鳴かせたこともあるというお母さんの遺伝子を存分に受け継いだのか、わたしの友人は本当に可愛らしい顔立ちをしている。
隊長、いきなりだけど、オラを褒めてほしいんだニャン。