ことわざ
上見ぬ鷲
意味
なにも恐れることなく、自由気ままな態度でふるまうことができる人をたとえたもの。
補説
ワシは、猛禽の中でも最大級の大きさを誇り、鳥類の中に敵はいないというほど強い鳥です。そのため、空を飛び回っている時も上空を気にすることがなく、堂々としていることができます。この「上見ぬ鷲」は、権力を恐れず堂々としている人を、ワシの姿に例えたことわざです。
悠然と飛ぶワシの姿を想像すると、一見褒め言葉のように見えるかもしれませんが、実は自由気ままにふるまう人の傲慢さを批判するニュアンスが強い言葉なので、使う場面には注意が必要です。
日本での初出は、鎌倉時代に出版された和歌集「新撰六帖題和歌」に掲載された、藤原信実の和歌「またはよもはねをならぶる鳥もあらじうへみぬ鷲の空の通ひ路」とされています。
「上見ぬ鷲」の使い方

マタタビ製造工場を、経営する猫…!?

すごく気のいい猫だったのに、その会社を継いだ途端にちょっとエラそうにしてるみたいで、地元で評判になってて心配だニャン…。

そっか、会社を継いだことで、上見ぬ鷲みたいになっちゃったんだね~。元は良い子みたいだし、立場が上になっても、自分の行いが優れてるかどうか決めるのは他人なんだって、気が付いてくれたらいいね。
「上見ぬ鷲」の例文
- 今年から新入社員として社長の娘が入ってきたのだが、上見ぬ鷲のような態度で周囲を辟易させていて、ある意味将来有望だと思いながら見守っている。
- 家業を手伝うことになったが、偉いのは会社を経営している両親であって私ではないので、上見ぬ鷲にだけはならないように気をつけたい。
- 上見ぬ鷲のような言動で腫れ物のような扱いをされている先輩がいるが、えらそうに振舞いつつも何だかんだと面倒見は良いので、後輩たちには好かれているらしい。
オラの学生時代の同級生に、マタタビ製造工場の社長の息子の猫がいたんだけど…。