ことわざ
独活の大木
意味
体が大きいだけで、何の役にも立たない人のたとえ。
類句
大男の見かけ倒し
大男総身に知恵がまわりかね
大男の殿
脛脛の伸びた奴
独活の大木柱にならぬ
千人持の蒟蒻
対義
山椒は小粒でもぴりりと辛い
補説
天然のウドは夏になると成長し、高さ2~3メートルにも及ぶほど大きくなり、茎も太くなる植物ですが、柔らかいため加工もできず、その大きさになってしまうと食用にもならないため、使い道がなくなってしまいます。このことから、「体ばかり大きくて、役に立たない人」を嘲笑する言葉として、「独活の大木」が使われるようになりました。
類句の項目を見てもわかるように、同様の意味を持つ言葉のバリエーションはなかなか豊富なので、体が大きい分、突出した特技がないことが目立ちがちで、嘲笑の的になってしまうのかもしれません。
「独活の大木」の使い方

親切な店員さんじゃない。

でも、何か作業してる途中でオラのことを助けてくれたみたいで、上司っぽい人に「仕事ができない」って怒られててちょっと許せなかったから、お客様の声みたいなアンケートで店員さんに感謝の手紙と、抗議の手紙投函してきたニャン。

作業しててもお客さんの様子に気が付くなんて、すごくいい店員さんに思えるんだけど、独活の大木扱いだなんてひどい話だね。猫くんの入れたお客様の声で、誤解が解けますように。
「独活の大木」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・お気の毒様なこったが、独活の大木は役にたたない、山椒は小粒で珍重される・・・樋口 一葉(著)『わかれ道』
- ・・・赤面して畳の端をむしり、人なかに赤恥をかきて笑はるるなり。まことに独活の大木、藕木刀とかや。・・・浅井 了意(著)『仮名草子-浮世物語』
- 体が大きいけどおっとりしている彼はよく「独活の大木」とからかわれているが、捕まえた虫も殺せないほど優しい人であることを、私は知っている。
今日買い物に行ったお店で手が届かないものがあったんだけど、すごく背の高い店員さんが気づいて、取ってくれたんだニャン。