ことわざ
いざ鎌倉
意味
一大事が発生し、とにかく駆け付けなければならないこと。
または、全力を尽くして働かなければならないことのたとえ。
補説
このことわざの「鎌倉」は鎌倉幕府のことを意味しています。
この当時の将軍と武士は、将軍が武家に土地を与える「御恩」と、有事の際は武士が将軍のために戦う「奉公」という関係で結ばれており、将軍から招集がかかれば、武士はそれを無視できず、鎌倉に駆けつけなければなりませんでした。
このことわざは、幕府から招集を受けた武士の心意気をあらわしたものなので、「大きい犬がいて怖いから、いざ鎌倉で自宅へ急いだ」などのような、逃げるようなシチュエーションで使うのは適切ではありません。
能の演目である『鉢木』に登場する、佐野源左衛門という人物の台詞から生まれたとされています。
「すわ鎌倉」などと表記されていることもありますが、意味は同じです。
「いざ鎌倉」の使い方

マスクしてビニール手袋つけて、晴れてるのにレインコート着て、おまけにシャワーキャップまで被って…その装備で一体どこに行こうっていうのさ、猫くん…。

友達のトラキチが、いま流行ってる感染症にかかったみたいだから、ゴハンを差し入れに行くんだニャン。

トラキチ君のために、いざ鎌倉!ってその心構えはすごく素敵なんだけど、ものを差し入れるだけなら、本人には会わずに袋をドアノブにかけておいたらいいだけなんじゃないかな…。
「いざ鎌倉」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・体も政府も自衛隊を袖にしすぎていた。志方 今まではね。田原 今までは。そのため、いざ鎌倉というときに自衛隊がキチンと動き得なかったという思いはある。 しかし一方では、や・・・志方 俊之(著)/ 田原 総一朗(著)『日本の針路』
- ・・・相手方が売上金を取りにきた場合に、弁舌を弄して応対する仕事で、橋本のほうは“いざ鎌倉”のときに腕力をふるう役柄であった。さいわいにして、雇われている間はなにごとも起・・・高橋 健而老(著)『回想の東大駒場寮』
- ・・・千人隊はそういう暮らしを続けていた。だからこそ、その農業技術や、「 いざ鎌倉 (正しくはいざ江戸かも知れない)」と、徳川家や幕府に一朝事が起こったときは、武器・・・童門 冬二(著)『小説近藤勇』
隊長、ちょっと行ってくるニャン。