「鰯の頭をせんより鯛の尾につけ」の意味・使い方・例文(類句・対義)

鰯の頭をせんより鯛の尾につけの意味・使い方・例文

ことわざ
いわしかしらをせんよりたいにつけ

意味
小さく弱い団体の長となるより、大きくて強い集団で他者と同じに動く方が安全で気楽ということのたとえ。

類句
寄らば大樹の陰

対義
鶏口けいこうとなるも牛後ぎゅうごとなるなかれ
鯛の尾より鰯の頭

補説
「鰯の頭」は小さな魚の頭を、「せん」はリーダーになること、「鯛の尾につけ」は大きな魚の後ろをついていくように、ということを表しています。
小規模な集団でリーダーを務めるよりも、大きな集団の一員となるほうが、色々な経験もできるし、安心できて気楽なこともある、と教えてくれています。
しかし対義語には全く逆の「鯛の尾より鰯の頭」というものも存在しており、結局のところ、個人の性格で好きな方を選ぶことが大事ということなのかもしれません。

「鰯の頭をせんより鯛の尾につけ」の使い方

助手猫

友達から難しい悩み相談を受けて、オラのほうが悩んじゃってるんだニャン。

ことわざ探検隊

そんな難しい相談されたの?

助手猫

実家がやってる小さな会社を継ぐ話が出てるらしいんだけど、友達は出世とかより、みんなと協力して忙しくしてるのが好きみたいなんだニャン。

ことわざ探検隊

あー、それはなかなかアドバイスしにくいね…。でも、鰯の頭をせんより鯛の尾につけ、が向いてる人は絶対いるからなあ。

「鰯の頭をせんより鯛の尾につけ」の例文

  • 鰯の頭をせんより鯛の尾につけ、と思ったのか、父は代替わりと同時に祖父母の反対を押し切って小さな家業を容赦なくたたんで、大きな企業に就職を果たし、今に至るという。
  • 鰯の頭をせんより鯛の尾につけともいうが、私はどちらもあまり向かなかったので、細々と在宅の仕事をすることにした。
  • 地元でお店をやっていた時はうまくいっていなかった友人も、思い切って都心の飲食店に就職したらうまくいっていて、鰯の頭をせんより鯛の尾につけが向いていたんだなあと思った。

北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし:ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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