ことわざ
言わぬが花
意味
余計なことは言わずにいたほうが、かえって味がある場合もあることのたとえ。
類句
言わぬは言うに勝る
沈黙は金
知らぬが仏
補説
ハッキリ言う、ということはとても大切ですが、言葉の内容や場面によっては、そうすることで相手を傷つけたり、不快な思いをさせてしまうことも少なくないですね。
あえてすべてを言わない、ということがプラスに働くことも、数多くあります。
また、物語などでも、すべてを語らずにいることで想像力が掻き立てられ、それが深い余韻に繋がることもあります。
この「言わぬが花」というのは、謙虚が美徳とされ、曖昧さにも趣を感じてきた日本人の性質を表したことわざです。「~が花」という表現で行動を制限し、その場での発言を控えるという意図を表すときなどに使われています。
江戸時代中期に、近松半二が手掛けた浄瑠璃「新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)」にある、「三々九度うは言はぬが花嫁」という台詞が由来とされています。
「言わぬが花」の使い方

それがくじ引きってもんじゃないの?確かになかなか当たらないけど、外れてもいないじゃない。

これだけ引いても、一等のネコチャンマンフィギュアが当たらないなんて、絶対おかしいニャン…!まさか、くじの係の人…!?

仮にそうだとしても、言わぬが花ってもんだよ…。ところで、僕、焼きそば食べたいから、あっち見てきていい?
「言わぬが花」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・作者が自儘の考案もて、いわぬが花か、読む人が自得さとるも花か・・・坪内 逍遙(著)『当世書生気質』
- ・・・ヨーロッパの古いことわざがあります。 日本では一般に、「口は災いの元」や「言わぬが花」などと同義語と考えられています。しかし、この中には「沈黙は金」と同じ意味の言葉・・・スティーブ・モリヤマ(著)『英語の会議にみるみる強くなる本』
- ・・・うん、たまにね。そもそも彼女に―」いいかけてから、翻訳の方法論は村本にはいわぬが花だと思った。「そう、たまに会う」 「みどりじゃない。もうひとりのほう」・・・C・W・ニコル(著)/ 村上 博基(訳)『白河馬物語』
お祭にネコチャンマンくじがあるって聞いて来たはいいけど…おっかしいニャンね~、このくじ引き、全然大当たりが出ないニャン。