「いつまでもあると思うな親と金」の意味・使い方・例文

いつまでもあると思うな親と金の意味・使い方・例文

ことわざ
いつまでもあるとおもうなおやかね

意味
頼れる親もいつかはいなくなり、金も使えばなくなってしまうということ。

補説
頼りにしている親も、いつまでも面倒を見てくれるわけではありませんし、お金も使えばなくなってしまいます。自立と倹約を促している、深い意味を持った言葉です。
江戸時代中期以降に流行していた、日常の出来事を風刺やしゃれっ気たっぷりに詠んだ短歌のジャンルである「狂歌」の一節が由来とされており、この後は「ないと思うな運と災難」と続きます。
近年では、このことわざから派生した「いつまでもいると思うな親と推し」という言葉が誕生しています。
これは、ヴィジュアル系エアバンド「ゴールデンボンバー」のメンバーである歌広場淳さんが、X(旧Twitter)に投稿した「好きなアイドルやバンドマンも、いつまでも現役で活動しているわけではないから、応援できるうちに応援しよう」という意図のものです。
この投稿は歌広場さんのファンだけではなく、推し活をしている人々を中心に反響を呼び、大きな広まりを見せました。
本来の意味は「人に頼り切ってしまう心は改め、お金を大切に」というものですが、こうして現代に適応し、別の意味を持った言葉として派生するほど、私たちの生活に浸透していることわざでもあります。

「いつまでもあると思うな親と金」の使い方

助手猫

友達のトラキチが、最近になって一生懸命就職活動してるんだニャン。

ことわざ探検隊

へ~、いいじゃない。でも、ずっとバイトしてたのに、何か気持ちの変化があったのかな。

助手猫

なんだかお母さんが歳を取ってきたのを見て、急に先行きが怖くなってきたって言ってたニャンね、根がまじめなんだニャン。

ことわざ探検隊

そっか~、いつまでもあると思うな親と金、に気が付いたんだね。
一念発起したトラキチくん、いい職場に巡り合うといいね。

「いつまでもあると思うな親と金」の例文

  • 本人は「やりたいことがある」と言っているが、無職になり、実家に帰って三年経った弟を見ていると、いつまでもあると思うな親と金、という気持ちになってしまう。
  • 資産家の家に生まれた幼馴染だが、彼自身は「いつまでもあると思うな親と金」と思っているようで、両親に甘えることなく堅実に働いて、貯金に勤しんでいる。
  • 私は極度の心配性なので、なにか高い買い物をするたびに、いつまでもあると思うな親と金、という言葉がよぎって、なんだか怖くなる。

北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし:ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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