「痛くない腹を探られる」の意味と使い方と例文(類句)

痛くもない腹を探られるの意味と使い方と例文

ことわざ
いたくないはらさぐられる

意味
全く関係ないことや、やましいことがない状況にも関わらず、あらぬ疑いをかけられたり、詮索されたりすることのたとえ。

類句
食わぬ腹探られる
痛まぬ腹を探られる

補説
何もやましいことをしていないのに疑いをかけられてしまう様子を、おなかが痛いわけでもないのに、「痛いのはここか、そこか」と探られる様子にたとえています。
「腹を探る」は、他人の心の内を探ったり、推測することを指しており、この場合の「腹」には「心の中」や「感情」など、表に出さず内に秘めたもの、という意味になります。
やましいことがないのに、あらぬ疑いをかけられていることに対しての被害者的な感覚や、非難の感情が込められた言葉です。

「痛くない腹を探られる」の使い方

助手猫

おっかしいニャンね~、オラ、このチョコこんなに食べたっけ…まさか隊長…?

ことわざ探検隊

僕はそのチョコが、ここにあったことすら知らなかったよ…。

助手猫

ウ~ン。おっかしいニャン、やっぱりオラ食べちゃったのかニャン…でもこんなに食べたっけニャン…隊長…?

ことわざ探検隊

うん、いくら疑ってもね、僕は本当にそのチョコを今初めて見たから、知らないんだ…。
痛くもない腹を探られるとは、このことだなあ…。

「痛くない腹を探られる」の例文(文学作品などの使用例)

  • ・・・「では、逃げるか」 「逃げるのもまずいな。後で痛くない腹を探られるだけです」 「それもそうだな。だいたいよく考えてみればわしらはこの泥鰌髭の主人に・・・井上 ひさし(著)『吉里吉里人』
  • ・・・有川の資産を目的に養子に来たらしく痛くない腹をさぐられるような気がとがめて・・・内田 魯庵(著)『くれの廿八日』                             
  • いたうもない腹さぐられて口惜しや
    井原 西鶴(著)『浮世草子 好色一代女』

北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし:ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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