ことわざ
鼬の最後屁
意味
切羽詰まった際に、非常手段に訴えて難を逃れることのたとえ。
または、最後の最後で醜態を演じてしまうことの比喩。
類句
鼬のじょうの屁
補説
イタチがピンチに陥った時、悪臭のする液体を放出して逃れようとすることを、あまり好ましくない手段で難を逃れようとしたり、最後の最後で恥ずかしい姿を見せてしまう人の姿に例えています。
イタチはとてもかわいらしい見た目をしていますが、鳴き声が不吉だという俗信もあり、あまり好ましくない生き物として扱われることも少なくありません。
実際に性格も非常に凶暴で、不用意に触ろうとするとケガをすることがあり、見つけても自力での退治はしないように注意喚起もされています。
しかしそんなイタチは、実は有名な「十二支」の昔話に登場しています。
誰よりも早く集合場所についていたものの、待ちくたびれて寝てしまい、そのまま寝坊して、十二支入りができなかったイタチをかわいそうに思った神様が「一番最初に着いていたから、毎月、月初めの一日にイタチの名前を入れて、ついたちと呼ぶことにしよう」と決めたといいます。
「鼬の最後屁」の使い方

なんだか猫くんは、すごい現場に立ち会うことが多いねえ。すごい逃げ方って、どんな?

おまわりさんが羽交い絞めにして捕まえたんだけど、犯人がなんかヌルっとした動きで上着を脱いでまた逃げて、すぐ別のおまわりさんに捕まって、今度はズボンを脱いで逃げてたニャン。

何その犯人!?往生際が悪いというか、ものすごい鼬の最後屁を見せてくれたんだね…その逮捕劇、僕もちょっと見たかった…。
「鼬の最後屁」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・全体道徳なんてものは意気地無しで社会に生存出来ない奴が自分を保護する武器に作ったものだ。まあ例えたら、鼬の最後屁のようなものだ・・・内田 魯庵(著)『社会百面相』
- 毎日毎日友人と野球ばかりしていたら、期末テストが翌日に迫っていた。鼬の最後屁と言われるかもしれないが、今夜は徹夜で勉強しなくてはならない。
- 浮気をした彼氏を振ったら、なんだかすごく泣きながら暴言を吐かれた。かっこ悪かったので、鼬の最後屁だと思えば腹は立たなかったし、百年の恋も冷めた。
買い物の帰りに、おまわりさんが、すごい逃げ方する犯人を追いかけてるのを見たんだニャン!