「鶍の嘴」の意味と使い方と例文

鶍の嘴の意味と対と使い方と例文

ことわざ
いすかはし

意味
物事が食い違ってしまい、思うようにすすまないことのたとえ。
齟齬そごがあること。

補説
イスカとは、ヨーロッパ周辺やアジア北部、北アメリカなどで広く分布している、野生の鳥のことです。
この鳥は、餌である松ぼっくりの種を取りやすいように、先端で交差するように、ずれながら重なったくちばしを持っています。
意見の食い違いなどで物事がスムーズに運ばないことを、この特徴的なくちばしに例えることでわかりやすく表現しています。
「交喙の嘴」と表記されていることもありますが、読みは同じく「いすかのはし」で、意味も全く同じです。

「鶍の嘴」の使い方

助手猫

明日、友達のトラキチとちょっといいゴハンを食べに行ってくるんだニャン。

ことわざ探検隊

いいじゃない、おいしいもの食べておいでよ。

助手猫

オラはお寿司が食べたいんだけど、トラキチは焼肉が食べたいみたいで全然話がまとまらないニャンね。どうしたらいいかニャン?

ことわざ探検隊

あるある!人とゴハン食べに行くときって、鶍の嘴みたいなことになりがちだよね~。
焼肉バイキングみたいなとこ行ってきたらいいんじゃないかな、だいたいお寿司もあるし。

「鶍の嘴」の例文(文学作品などの使用例)

  • ・・・させる気働きが必要である。 二人の気性が明朗親密に運ぶ場合もあれば、相性が悪くて鶍の嘴の食い違いもある。商売の道には内福に向かう拍子もあれば、その逆も珍しくない。難し・・・谷沢 永一(著)『ビジネスマンのための宮本武蔵五輪書』
  • 友人達と旅行の予定を立てていたが、行きたいところや泊まりたい宿がみんなバラバラで折り合いがつかず、鶍の嘴の状況で、話が全く進まない。
  • 祖父母の喧嘩は、おおむね鶍の嘴のようなものが原因で起こっているので、巻き込まれる側の家族はみんな、もう少し落ち着いて話し合えば喧嘩にならないのに、と思っている。

北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし:ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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