ことわざ
一寸先は闇
意味
未来というのは、ほんの少し先の事でも何が起こるかわからないというたとえ。
類句
塞翁が馬
禍福は糾える縄の如し
沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり
対義
前途洋々
順風満帆
補説
「一寸」とは距離の単位で、現代では約3センチほどの長さになりますが、ここでは距離そのものではなく、「今よりちょっと先の未来」という、時間の比喩表現として使われています。
このことわざの誕生は戦国時代にさかのぼり、当時は「一寸先は闇の夜」とされていました。
あちこちで戦が起こり、明日の暮らしや生命の保証もなく、常に「この先どうなるかわからない」という不安を抱えていた当時の人々は、お酒の席でよく歌っていたそうです。
その時に盛んに歌われていたのが、このことわざの原型となった「飲めや歌えや一寸先は闇の夜」というワンフレーズでした。
闇という言葉の通り、明るい雰囲気というよりは、不安や悲観、ニヒリズムというニュアンスで使われることが多い言葉です。
見出しの形で上方いろはかるたにも採用されて親しまれてきており、政治家などが「政界の一寸先は闇」と口にするなど、現代でも色々な場面で使われています。
英語
Nothing is certain but the unforeseen.(予想外のほかに、確かなものはない)
英語の声:音読さん
「一寸先は闇」の使い方

そんなにいっぱい!?

元々気が小さい人で、ニャンダフル生命の保険にも入ってたのに、最近の世の中のニュース見てたらどんどん不安になってきたから、いっぱい保険かけたらしいニャン。

一寸先は闇で不安っていう気持ちはすごくわかるんだけど、そんなに保険入るほど怖くなっちゃったのか…。
「一寸先は闇」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・愛の証拠として確保しておきたいだけなの。人間、一寸先は闇よ。明日なにが起きるか、だれもわからないわ」 「そう言えばそうだが、どうして急に・・・森村 誠一(著)『マリッジ』
- ・・・将来は、わからないということでしょうか」 「そういうこと。事件の捜査というのは一寸先は闇だからね。逆に、闇だと思っていたのに、突然、明りが見えてくることもある」 そうは・・・香取 俊介(著)『由布院温泉・殺意の帰郷』
- ・・・を捨てて何時かは此所を立ち退かねばならない。しかもそれから先のことはわからない。一寸先は闇だ。 そんなことを思うと瞼が熱くなってくる。 「おや。どうなされまいた。痛いのか・・・今 東光(著)『太平記』
久しぶりに会った親戚が、ニャンコ生命とニクキュウ損保とマタタビ共済で新しく保険に入ったっていうんだニャン。