ことわざ
一炊の夢
意味
人生は短く、栄華は儚いものであることのたとえ。
類句
盧生の夢
邯鄲の夢
黄粱の夢
南柯の夢
補説
唐の時代(618-907年)の中国で、沈既済という人物が残した伝奇小説『枕中記』が、このことわざの誕生の由来です。
邯鄲の宿屋で、道士の呂翁から「出世の夢が叶う枕」を借りた盧生という青年がひと眠りすると、彼は自分が立身出世をする一生を送っている夢を見ます。
しかし彼が目を覚ますと、宿屋の主人がまだご飯を炊いているところでした。盧生がその夢を見ながら寝ていたのは、ほんのわずかばかりの時間のことだったのです。
誰もが成功を夢見るものですが、実際にそれを叶える人がいる裏には成功する人ばかりでなく、成功してもその上り調子がいつまでも続く物ではないという儚さや、人生は一瞬のことで変わってしまうものなのだ、という教訓を含んでいます。
「一炊の夢」の使い方

猫くん、明日から旅行だっけ?ものすごい大荷物だね~。

なんだかあのTシャツ着たいとか、友達とあれもこれもやりたいと思ったら、荷物いっぱいになっちゃったニャンね~。

いいねえ~、若いころって一炊の夢ってくらい短くて儚いものだし、楽しめる時にいっぱい楽しもうね。僕も明日は、本でも読んでゆっくり過ごそうかな。
「一炊の夢」の例文
- テレビでニュースを見ていたら、漫画家が、何かの罪で逮捕されていた。週刊誌で連載を始めたばかりなのに、一炊の夢というやつだったのだろうか。
- 部活で念願のレギュラー入りを果たして夢が叶ったと思ったのも束の間、私は厳しい練習で体を壊して試合に出られず、一炊の夢というものを味わっている。
- 一炊の夢とはよくいったもので、あんなにテレビで見ていた人も、一年経ったら見かけなくなっていたりする。
あれもこれも持って、と…。