ことわざ
磯の鮑の片思い
意味
その気がない相手に対して、自分だけが一方的に慕っていること。
片思いを洒落て言ったもの。
類句
鮑の片思い
鮑の貝の片思い
補説
鮑の殻が二枚と見せかけて実は一枚であることを、自分だけが相手を恋しく思っている、片思いの状態に例えたロマンチックなことわざです。
恋愛においての場面ではもちろん、仕事など様々な場面で用いられます。
ちょっとした豆知識ですが、この鮑やトコブシ、ウミウシ類などは全て、ツブやサザエと同じ巻貝に分類されているそうです。
「磯の鮑の片思い」の使い方

推し活してる人って、イキイキして楽しそうでいいよね。僕、見てるの結構好きだな。

タマミは本気度がすごくて、グッズもCDもたくさん買って、ライブに全部ついていくのが幸せなんだ、って仕事もバリバリ頑張ってるみたいだニャン。

推し活って、磯の鮑の片思いのようなものなのかもしれないけど、それで本人が毎日に生きがいを見出してるなら本当に素敵なことだと思うよ。
「磯の鮑の片思い」の例文(文学作品などの使用例)
- カタオモイ…アワビのこと。一枚貝のように見え(実際は巻き貝)、「磯のアワビの片思い」と称されるため。カタミヅケ…カタミは「片身」で、小魚の片身をそのまますしダネに
日比野 光敏(著)『すしの事典』 - 私の方でこのくらい思って居るのに華魁が思ってくれないのは、真実に磯の鮑の片思いだよ
四代目柳亭左楽『落語 女郎買の教授』 - 学生時代にとても好きだった男の子がいたのだが、彼とは友達という関係性が定着しすぎてしまっていた。おそらく私がずっと、磯の鮑の片思いの状態だったのではないかと思う。
友達のタマミが、最近流行ってるバンドにハマって、一生懸命推し活してるらしいニャン。