ことわざ
急がば回れ
意味
多少手間がかかっても、安全な方法を取った方が、結果的に失敗が少ないことのたとえ。
類句
急いては事を仕損ずる
慌てる乞食は貰いが少ない
短気は損気
対義
鉄は熱いうちに打て
先んずれば人を制す
好機逸すべからず
補説
「急がば回れ」は、室町時代に活躍した歌人の、宗長という人物の短歌にも登場していることわざです。
「もののふの矢橋の船は速けれど急がば回れ瀬田の長橋」というこの短歌は、武士(もののふ)が京都へ向かう際の航路について詠まれたものでした。
この歌から誕生したという説もありますが、すでに使われていたこの言葉を、宗長が逆に歌に取り入れたとする説もあります。
「急ぐなら遠回り」という、逆説的な言葉で注意を引く構造の、矛盾を効果的に使った表現です。
意味は違うものですが、同じような表現を使ったことわざには、「負けるが勝ち」などがあります。
英語
Make haste slowly.(ゆっくり急げ)
英語の声:音読さん
「急がば回れ」の使い方

でも?

この道、すごく大きい犬がいる家があって、オラちょっと怖いんだニャン…。

あのわんちゃん、全然おとなしくていい子なんだけど、確かにすごく大きいし見た目はちょっと怖いよね~。
じゃあ、急がば回れっていうし、あっちの道から回り込んでいこうよ。
「急がば回れ」の例文(文学作品などの使用例)
- 昔聞いた歌が、そのメロディーが、頭の中に渦巻く。 格言を思いついたりする。 『急がば回れ』 この場にピッタリのような、場違いのような、ただ、思考の底でつながって
斎藤 肇(著)『思いがけないアンコール』 - 袴に三ツ紋付きの羽織、髷は剃下げ銀杏に結っていた。いずれかの、藩士であった。「急がば回れと、申すでしょう」「己れ、そこをのかぬつもりか」
笹沢 左保(著)『剣士燃え尽きて死す』 - それを避けるため現場で必ず確認を取る。言わば「急がば回れ」。そのことをやじ馬のみなさんにも理解して頂きたい。
有賀 徹(著)/ 木庭 雄至(著)『119 book』
ウーン、ここを突っ切っていけばスーパーには早く着くニャン…でも…。