「石部金吉金兜」の意味と使い方と例文(類句)

石部金吉金兜の意味と使い方と例文

ことわざ
石部金吉金兜いしべきんきちかなかぶと

意味
非常に頑固で、融通がきかない人をたとえたもの。

類句
四角四面
石部金吉
石にかみしも

補説
「石部金吉」は将棋の用語です。時代が進むにつれて、融通の利かない堅物を揶揄する言葉に変わっていきました。
非常に固いものの象徴として石と金が含まれていますが、さらに金兜を被せることで、より頑固であることを強調しています。
単に「融通が利かない」というマイナスな面だけではなく、「まじめで、金銭や色恋に決して惑わされない」「実直」という、捉え方によっては何となくプラスの一面も持っている言葉です。
類句にもある通り、「石部金吉」だけでも同様の意味で用いられています。

「石部金吉金兜」の使い方

助手猫

あそこの角のお蕎麦屋さんのおじいちゃんが、すごく頑固だニャン。オラ、この間緊張してお蕎麦の味がわからなかったニャン。

ことわざ探検隊

あ~、あのおじいちゃんね!お蕎麦はすごくおいしいけど、頑固だよね~。
味がわからないほど緊張するって、何かあったの?

助手猫

オラの目の前にいたお客さんが、ざるそばのおつゆにわさびじゃなくて一味を入れたんだけど…
その人をすごい剣幕で怒って追い出して、お相撲さんみたいに塩を撒いてて、怖かったんだニャン…。

ことわざ探検隊

そんな緊迫した現場にいたなら、味もわからなくなっちゃうね~。
お客さんがケチをつけたわけじゃないのに、薬味くらいでそこまで怒るなんて…。石部金吉金兜も考えものだね~。

「石部金吉金兜」の例文(文学作品などの使用例)

  • ・・・石部金吉かなかぶとといふかたい内へ、花街からもらったものを出されるものかな・・・曲山人(著)『人情本 仮名文章娘節用』
  • 僕の父は頭が固すぎて、比較的ゆるい人だった叔父からは石部金吉金兜と呼ばれ、からかわれていたらしい。
  • あの人は石部金吉金兜というくらい融通が利かないが、仕事ぶりはとてもまじめで優秀なので、同僚や上司からの信頼がとても厚い人物だ。

北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし:ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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