ことわざ
犬も朋輩鷹も朋輩
意味
役目や地位に違いがあっても、同じ主人や目的を持っていれば、同僚であることのたとえ。
補説
昔の日本では、狩猟は武士のポピュラーなたしなみでした。その狩猟の手段のひとつである「鷹狩り」から生まれていることわざです。
鷹狩りは、飼いならした鷹を放して小さな獣や鳥を狩る狩猟の方法ですが、草むらなどから獲物を追い立て、鷹が狩りをしやすいようにするのは犬の役目でした。
このことわざでは、「追い立てる犬と実際に獲物を捕ってくる鷹はそれぞれ役目が違っても、狩りを成功させるという共通の目的を持ち、同じ主人に仕えているもの同士、同僚である」として、人間の社会でもそれは同じことだ、という教えを説いています。
「朋輩」が「傍輩」と表記されていることや、「鷹も朋輩犬も朋輩」と順番が入れ替わって表記されていることがありますが、意味は同じものになります。
「犬も朋輩鷹も朋輩」の使い方

このところよく出かけてると思ったら、ボランティア行ってたんだね~。サークルの人間関係かあ…。

空いてる曜日とか時間とかが似てるっぽくて、同じボランティア活動に行くことが多いのに、その人とだけは全然仲良くなれる気がしないニャンよ…。

うーん、でもさ、その人も猫くんも、ボランティア活動をする、っていう目的は同じだし、犬も朋輩鷹も朋輩じゃない?
人間性は合わなくても目的が同じなんだから、まずは仲間内で助け合いながら、人助けしてみよう!
「犬も朋輩鷹も朋輩」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・お前さんは光井さんと心安いようではあるし、犬も朋輩、鷹も朋輩、いわば朋輩どうしのことだから、なんとかわたしに手伝って・・・岡本 綺堂(著)『半七捕物帳―鷹のゆくえ』
- 結局同じ会社の同じ部署にいれば、犬も朋輩鷹も朋輩なのに、先輩が別の先輩に当たりが強い理由がよくわからない。
- どうにもうまが合わない相手だけど、犬も朋輩鷹も朋輩だから、仕事の面では仲良くやっていきたいと思っている。
オラ、最近仲間たちと一緒にボランティアに行ってるんだけど、ボランティアサークルに、どうにも合わない人がひとりいるんだニャン。