ことわざ
陰徳あれば陽報あり
意味
人に知られないところでよい行いをしていると、いずれはよくわかる形でよいことが起こるというたとえ。
類句
陰徳あれば必ず陽報あり
陰徳は果報の来る門口
積善の家には必ず余慶あり
隠れたる信あれば顕れたる験
対義
悪因悪果
補説
このことわざのポイントは「陰で」よい行いを積み重ねている、ということにあります。こっそりいいことをしていても、別に誰かに感謝されたりするわけではありませんが、いずれは必ずよい結果として戻って来る、という教えの言葉です。
古代中国の思想書「淮南子―人間訓」に登場したのが由来とされています。
「自分に返ってくる」という部分は共通していますが、良いことをしていたら、必ず良いことが返ってくる、という、このことわざとは違い、良いことも悪いことも自分に返ってくる、という意味の「因果応報」とは全く違うニュアンスの言葉なので、誤用に注意しましょう。
「陰徳あれば陽報あり」の使い方

これは、猫くんのお気に入りのお菓子と、肩たたき券…?どうしたの…?

オラさっき、隊長が迷子になってる子どもを助けてるのを見かけたんだニャン。えらかったから、オラからちょっとしたボーナスだニャン。

わーっ。ありがとう、陰徳あれば陽報ありだね!うれしい!
あの子もすぐにママが見つかって、本当によかったよ。
「陰徳あれば陽報あり」の例文
- 誰よりも早く学校に行って密かに金魚に餌をやるのが楽しみだった私だが、同窓会で実はそれを見ていた、と声をかけられたことをきっかけにして、今の夫と結婚することになった。陰徳あれば陽報ありだなあ。
- 隣の人がテーブルに残していったゴミを帰る時についでに捨てたら、見ていた店員さんがコーヒーのサービス券をくれたので、陰徳あれば陽報ありなんだなあと思った。
- 家族の誰もやっていなかった部分をこっそり掃除していたら、陰徳あれば陽報ありなのか、見かけた祖母がおこづかいをくれた。
はい隊長、オラから臨時ボーナスだニャン。