ことわざ
命長ければ恥多し
意味
長生きをすると、それだけ恥ずかしい思いをする機会も多いことのたとえ。
異形
長生きすれば恥多し
対義
命長ければ蓬莱に会う
補説
兼好法師が執筆し、日本三大随筆の一角になっている「徒然草」にも載っていることから、日本文学の中でも有名な言葉です。
元は古代中国の哲学家、荘子の残した著書「荘子―天地」に出てくる、中国古代の伝説の聖王、堯のセリフにある「壽ければ則ち辱多し」という言葉が出典とされています。
長生きをしていると、人前で恥ずかしい思いをすることも数多くある、という意味を持っているだけでなく、「やみくもに長生きを目指すだけでなく、恥をかくようなことをしないように気を付けよう」という教えも読み取れます。
「長く生きること自体を恥ずかしいと思っている」というような意味で使うのは誤りですので、気を付けましょう。
「命長ければ恥多し」の使い方

おばあちゃん、優しいなあ~。

転んだ子が「転んで恥ずかしい」ってあまりに泣くもんだから、おばあちゃん、自分の若いころのめちゃくちゃ恥ずかしいエピソードトークを大声で披露して、「これに比べたら全然恥ずかしくない!」って一喝してたニャン。

命長ければ恥多しというから、おばあちゃんくらいの歳になれば、恥ずかしい経験だってそりゃ豊富だろうけど…。子供を慰めるために、それを大声で披露だなんて…!かっこいい…!
「命長ければ恥多し」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・意識が厳然と横たわっているのだ。 ただそう言ってしまってはミもフタもないから、「命長ければ恥多し」などと一応はもったいをつけるが、いやホンネは別のところにあるに相違ない。 ただ・・・鴻野 日出男(著)『ご隠居マニュアル』
- ・・・職を退くことになった。古人曰く命長ければ恥多しと。正にその通りである。潮時に後れて恥をかいたが、山口の山の姿の面白さと・・・青木 正児(著)『琴棊書画』
- ・・・いのちながければ辱おほし。長くとも四十よそぢにたらぬほどにて死なんこそ、めやすかるべけれ・・・兼好法師(著)『徒然草』
さっき、お店の前で転んで大泣きしてる子供を、駄菓子屋のおばあちゃんが出てきて手当てしてたニャン。