ことわざ
芋の煮えたも御存じない
意味
世間に疎いものを、あざけったりからかったりすることのたとえ。
対義
海千山千
飽経風霜
百戦錬磨
補説
「芋の煮えたも御存じない」とは、芋が煮えたかどうかも判断できないほど、世間にうとく、常識知らずな人を揶揄する言葉で、江戸いろはかるたにも使われています。
稲作が発展し、お米が主食になる前の日本では芋類、特に里芋を主食にしていました。
このことから、料理が作れるくらいの年齢であるいい大人が、主食である芋の煮え具合がわからないことは常識知らず、と判断されてしまったり、「料理もろくにできない箱入り娘(息子)」と揶揄されてしまうことになるのです。
誰でも知っているような基本的なことを知らない人、というからかい文句として用いられる言葉なので、使う相手には注意が必要ですね。
「芋の煮えたも御存じない」の使い方

そうかな~、そんなことないと思うけど…。

いつも本読んでるし、勉強も得意だし、きっと知らないことはないニャン。オラ、今度からわからないことは何でも隊長に聞いてみるニャン。

それは大げさだなあ、僕だって、芋の煮えたも御存じない時期があったんだよ~。
しかも、たぶん僕に聞くより、スマホとかで調べた方が早いと思う。
「芋の煮えたも御存じない」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・少ない農家では、こうした野菜を煮たり茹でたりしておやつ代わりに食べたのである。芋の煮えたも御存知ないか―と「いろはかるた」にあるように、芋類を煮るのはむずかしい。里芋、馬鈴薯は・・・成島 行雄(著)『昭和ヒトケタ腕白時代』
- 芋の煮えたも御存じない箱入り娘で有名だった母だが、今は自らそばを打ち、ケーキを焼き、スパイスからカレーを手作りしていて、もはや芋が煮えたかどうかは問題ですらなくなっている。
- 同居初日、古い洗濯機の使い方がわからなくて困っていたら、姑に「芋の煮えたも御存じない」と言われてしまったが、洗濯機の使い方のついでに芋の煮方も教えてもらったところ、今はとても仲良くやれている。
隊長は物知りで、すごいニャンね~。