ことわざ
今泣いた烏がもう笑う
意味
直前まで泣いていた人が、機嫌を直してすぐ笑うことをたとえたもの。
または、子どもの喜怒哀楽の激しさをたとえたもの。
補説
欲しいものを買ってもらえなくて泣きわめいていたのに、それが手に入ったと同時に泣きやんで笑っている、というように、喜怒哀楽がハッキリしている子どもの生態を、ずるがしこいことの象徴としてよく使われる、カラスに例えたことわざです。
パッと見、子どもをバカにするような表現に見えるかもしれませんが、「小ずるいところもかわいい」というような、憎めなさを温かく見守っている愛情表現のひとつとして用いられています。
子どもだけでなく、直前まで泣いていたのに、機嫌を直してすぐ笑いだすような、感情の起伏が激しい人に対して、ちょっとからかうようなニュアンスで使われることもあります。
「今泣いた烏がもう笑う」の使い方

猫くん、すごい泣いてるじゃない…。さっき、お客さんに高級お魚せんべいもらったんだけど、これでも食べて落ち着いて。

モグモグ。さっき、お気に入りのセーターを洗濯したら、猫用っていうよりもネズミ用ってくらい、すっごい縮んで小さくなっちゃったんだニャン。モグモグ。

お魚せんべい食べた瞬間に泣き止んで、いきなり状況説明を始めたぞ…!これぞまさしく、今泣いた烏がもう笑うだ…!
「今泣いた烏がもう笑う」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・今泣いた烏がもう笑ったと拍子を取って歌ったそうだ、主人が尼が大嫌(だいきらい)になったのはこの時からだというが、尼は嫌にせよ全くそれに違ない・・・夏目 漱石(著)『吾輩は猫である』
- 直前まで駄々をこねていた息子が、おやつをもらった瞬間に泣き止んだのを見ていた祖母は「今泣いた烏がもう笑う」と言って笑っていた。
- おもちゃ屋さんで働いているので、毎日絶対におもちゃを買ってほしくて泣く子どもを見かけるが、大体にして、根負けした親に何か買ってもらうとすぐに笑顔になっているので、今泣いた烏がもう笑うだなあ、と思いながらお見送りしている。
もう許せない、オラは自分が許せないニャン!