ことわざ
一日の長
意味
経験や知識がほかの人よりほんの少し優れていること。
類句
亀の甲より年の劫
老いたる馬は道を忘れず
補説
中国の思想家、孔子の「論語―先進」に登場する「私が君たちより少し年上だからと、遠慮することはない」という言葉から生まれたことわざですが、他の人よりほんの少し技能や知識が優れていることを強調する言葉なので、謙遜のニュアンスで用いられており、年齢が上という意味ではあまり使われていません。
そうした意味から、他人に使うと、「多少優れていることを認める」といった表現になってしまうので、褒め言葉としては適切ではありません。失礼になる場合があるので注意しましょう。
「一日の長」の使い方

へ~、猫くん子どもに好かれやすいもんね~。楽しかった?

初めてゲームセンターに来たっていうから、ちょっと教えてやろうかなって気持ちでいたら、その子めちゃくちゃ強くて、オラ、ボコボコにやられたニャンよ。だから、弟子にしてもらったニャン。

一日の長くらいの感じで教えてあげようかなって気でいたら、むしろ教わる側になっちゃったんだね~。それにしても猫くんに勝っちゃうって、その子はすごい逸材だったんだね。
「一日の長」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・その進歩は跛鼈(足の悪い大亀)の行くが如きながらも、一日を過ぎれば一日の長を得て居る。 次の言葉は九年後から始まる豊熟期を予告する暁鐘である。鷗外は殺され・・・佐々木 雄爾(著)『長明・兼好・芭蕉・鴎外』
- ・・・ほどのものは、この海図を持たねばなりませぬ。その辺のことは、やはりイスパニヤ人に一日の長がござる。いかがでござろう、これで国賓としてお扱い願いたいことの理由、ご納得下さ・・・山岡 荘八(著)『徳川家康』
- ・・・相手は初心者だから、自分は四級くらいだけれども、「一日の長」として教えてやろうかという気持を持つと、うまくいかない。そのていどの実力差なら・・・小林 良彰(著)『新勉強に強くなる本』
ゲームセンターに格闘ゲームしに行ったら、小学生くらいの子がお父さんと一緒に来たから、対戦して一緒に遊んだんだニャン。