ことわざ
一葉落ちて天下の秋を知る
意味
わずかな前兆を見て、その後の変化を予知することのたとえ。
類句
桐一葉落ちて天下の秋を知る
一葉秋を知る
一葉の秋
桐一葉
瓶中の氷を見て天下の寒きを知る
霜を履みて堅氷至る
補説
前漢時代(紀元前206年-紀元8年)の中国の哲学書である『淮南子―説山訓』に登場する、「一葉の落つるを見て、歳の将に暮れなんとするを知り、瓶中の冰を睹て、天下の寒を知る。近きを以て遠きを論ずるなり」という一説が由来になっています。
他の木々よりも成長が早く、落葉も早い梧桐の葉が一枚落ちるのを見て、「秋が来た」といち早く察知する様子を、わずかな兆候から、先行きを予測できることに例えたことわざです。
また、秋は草木が枯れていく季節であることから、「国家や権力の衰退を察知する」という意味を併せ持つ、とする説も存在します。
「一葉落ちて天下の秋を知る」の使い方

えーっ。全然そんな気はしないけど、何でそう思うの?

なんだかあっち側の空が暗いし、風のニオイでそんな感じかなと思ったんだニャン。

言われてみれば、向こう側の空、なんか暗いねえ!
まさに「一葉落ちて天下の秋を知る」じゃない!すごいな猫くん!
「一葉落ちて天下の秋を知る」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・キリの蕾を見ていたら、いきなり葉がどさっと落ちた。するとすかさず誰かが「キリ一葉落ちて天下の秋を知る」と言った。でもじつはこれは誤解だ。この文句の出典は・・・柿原 申人(著)『草木スケッチ帳』
- ・・・一葉落ちて天下の秋を知るとか何とか言うじゃあありませんか。ビール一本だって貴下の心を言わないとも限りませんよ・・・国木田 独歩(著)『暴風』
- 一葉落ちて天下の秋を知る、というが、何の予兆もなかったし、さすがに出社前に見ていた朝のニュースで職場の倒産を知るなんて、一体だれが予想できるというんだ。
ムムッ。そろそろ雨が降る気がするニャン。洗濯物を外に干してるから、早く帰るニャン。