「一難去ってまた一難」の意味・使い方・例文(類句・対義・英語)

一難去ってまた一難の意味・使い方・例文

ことわざ
一難去いちなんさってまた一難いちなん

意味
ひとつの災難をやっとの思いで切り抜けたところで、新たな災難に見舞われること。

類句
泣きっ面に蜂
火を避けて水に陥る
虎口ここうを逃れて竜穴りゅうけつに入る
前門の虎、後門の狼

対義
盆と正月が一緒に来たよう
鴨が葱を背負って来る

補説
災難をひとつ乗り越えたと思ったら、間髪入れずに次の災難が起こり、息つく暇もない状況を表していることわざです。
由来はハッキリしていませんが、現存している文献での初出は、1902年に宮崎滔天という人物が残した自叙伝『三十三年の夢』に登場する「前途は猶遼遠なり、行路難も亦未だ尽きざるなり、然り、一難漸く去りて一難復来れり」という一文なので、この当時より以前から使われていたとみられています。

英語
Misfortunes never come singly.(災難は続く)

英語の声:音読さん

「一難去ってまた一難」の使い方

助手猫

イタタ…ただいまだニャン…。

ことわざ探検隊

あれっ。猫くん、傘持って出かけてなかった?それに、なんでそんなにボロボロなの!?

助手猫

買い物が終わって外に出てきたら、傘が盗まれてたんだニャン。だから急いで帰ろうとしてたら滑って転んじゃって、起き上がろうとしたところを、走ってきた車に泥をかけられたニャン。

ことわざ探検隊

うわあ、一難去ってまた一難どころの騒ぎじゃないね…シャワー入っておいで…。

「一難去ってまた一難」の例文(文学作品などの使用例)

  • ・・・僕はそれを嫌というほど味わってきました。悔しくて涙したこともありました。一難去ってまた一難 人生とは常にその繰り返しです。でも、そんな苦難も後になればいい思い出。今が・・・あおごころ(著)『あとは心に光り雨』
  • ・・・そういえば、先ほどからエンジンの焼ける臭いがしていたようだった。一難去ってまた一難である。おそらく被弾したときからオイルは漏れていて、先ほど三番機の遠藤が言って・・・武田 信行(著)『最強撃墜王』
  • ・・・カルシュウム不足のため、骨が柔かくて、O字型に曲っている、との診断です。 一難去ってまた一難というとありふれた文句ですが、ぼくも妻も、まったくうんざりして了いました。・・・尾崎 一雄(著)『昭和文学全集』

北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし:ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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