ことわざ
一富士二鷹三茄子
意味
夢に見ると縁起がいいとされるものを三つ並べたもの。
特に、初夢において縁起がいいものをいう。
補説
江戸時代初期に誕生し、中期ごろには広く使われていたといわれています。
夢に出ると縁起がいいものを並べているとして、比較的耳にすることが多い言葉ですね。
由来には諸説があり、当時の将軍である徳川家康に所縁があった、現在の静岡県にあたる駿河国の名物を順に挙げた、あるいは、駿河国で高いもの(富士山、愛鷹山、初ナスの値段)を順に並べた、とするものが有名です。
ほかには、、富士山が「不死」、鷹が「掴み取る」、ナスが「成す」の語呂合わせにあたるから、という、いかにも日本人的な言葉遊びを含んでいるから、というものなど、様々な説が提唱されています。
富士山、鷹、という、錚々たる顔ぶれの中に突然現れている野菜のナスについては、実がたくさん成ることから、語呂合わせのほかに「子だくさんを象徴する縁起物」、という意味もあるといいます。
この後は「四扇五煙草六座頭」と続き、扇が「末広がり」、煙草が「上がる(煙が昇ることから)」、座頭が「怪我なし(座頭は髪を剃ることから、毛がないの意)」という意味を持つ、といわれているようです。
「一富士二鷹三茄子」の使い方

猫くん、枕の下に何入れてるの…しかも何で、ナスを持って布団に…。

オラ、今年はどうしても縁起がいい初夢を見たいから、富士山と鷹の写真を枕の下に入れて、ナス抱きしめて寝ることにするニャン。

一富士二鷹三茄子は、確かに縁起がいいものだけど…。お腹いっぱいお魚食べる夢とかの方が、猫くんは機嫌よく起きてきそうな気がしなくも…。
「一富士二鷹三茄子」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・夢となると元日の夜、あしたが初夢だから見ずに置こうというわけにもいかない。その夢も一富士、二鷹、三茄子、この順でこれを吉夢といい伝える。富士も鷹も吉とするのはわかるが、茄子はどういうところから来ているのか知らない・・・鏑木 清方(著)『宝船』
- 初夢には一富士二鷹三茄子が縁起がいいと言われるが、 僕の初夢は、直前まで親戚とやっていたゲームに出てくる化け物に追いかけまわされる、という散々なものだった。
- 起きてきた弟が「一富士二鷹三茄子、全部そろった初夢を見たような気がしなくもないけど、鷹を見たことがないので、あれは鷹だったのか、なんだか自信がない」と言っていた。
ヨ~シ、これでオラの今年は安泰ニャン!