ことわざ
一円を笑う者は一円に泣く
意味
わずかな金銭でも、決して粗末にしてはならないということのたとえ。
類句
一銭を笑う者は一銭に泣く
補説
類句にもありますが、「一銭を笑う者は一銭に泣く」だったものが、通貨の変遷とともに「一円」へ変わっていったもの、という説があります。銭は、円より小さい単位の通貨です。
一円にしろ一銭にしろ、わずかなお金でも粗末にしてはならないという戒めの言葉なので、意味は変わらず同じものになります。
この言葉の由来は、大正時代に公募があった、貯蓄を勧める標語の入選作にありました。この公募で二位になった「一銭を笑う者は、一銭位に泣け」という言葉が形を変え、現在も使われているのです。
ちなみにこちらの公募で同率二位になった標語は「現金は瘦せ、貯金は太る」で、対称に輝いたのは「貯金は誰でもできるご奉公」だったそうです。
「一円を笑う者は一円に泣く」の使い方

あ、忘れてたニャン。952円とかで半端な金額だったから、キリの良いところで950円でいいニャンよ~。

そんなのだめだよ、一円を笑う者は一円に泣くんだから!はい、952円!

いま、小銭で財布がパンパンだから、ホントによかったのに…。隊長は本当にまじめだニャン…。
「一円を笑う者は一円に泣く」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・「ねえ、一円を嗤う者は、一円に泣く、って言うけど」早苗は、無意識のうちに、格言に使われている貨幣の単位を、現代風になおしていた・・・曾野 綾子(著)『一円をわらう者は』
- もらったお小遣いをすぐに使ってしまう私に対し、弟は堅実に貯金をしていて、いつも「一円に笑う者は一円に泣く」と言っていた。
- 貧しくて苦労していた、という父に育てられた私は、一円を笑う者は一円に泣くのだ、と幼い頃から厳しく教育されてきた。
猫くん、この間お使い頼んで立て替えてもらったお金、返すね。ありがとう。いくらだった?