「得手に帆を揚げる」とは?使い方と例文でわかりやすく解説

「得手に帆を揚げる」とは?使い方と例文でわかりやすく解説

ことわざ
得手えてげる

意味
得意なことを発揮できるチャンスが到来し、張り切って取り組むこと。

異形
得手に帆を掛ける

類句
得手に帆
所を得る
追風おいてに帆を上げる
驥足きそくばす
蛟竜雲雨こうりょううんう

補説
風の中で勢いをつけて、スイスイ進む帆船の姿から生まれたとされる言葉です。
主には「得意分野で活躍できる」と張り切って取り組もうとする姿を指して用いられており、自分の持っている力を活かすチャンスに恵まれた、という意味でも使われることがあります。
「自分の実力や能力を発揮できる、絶好の機会を前に意気込んでいる」という言葉であって「チャンスに恵まれて、運がよかったなあ」という意味では使いません。誤用に注意しましょう。

「得手に帆を揚げる」の使い方

猫くん

来週末の草野球、オラ、初めてスタメンになったニャン。隊長、よかったら試合見に来てニャン。

ことわざ隊長

一生懸命練習してたもんね、やったじゃない!絶対見に行くよ!

猫くん

楽しみで楽しみで、ジッとしてられないニャン!隣町までランニングしてくるニャンよ、いってきま~す!

ことわざ隊長

は、速い…!得手に帆を揚げる姿、微笑ましいけど、張り切りすぎて本番前にケガとかしないといいなあ…。

「得手に帆を揚げる」の例文(文学作品などの使用例)

  • ・・・ゑてに帆をあげたるふぜいにて、それこそやすき御事なれとて・・・辻原 元甫(著)『仮名草子 智恵鑑』
  • ・・・帰朝したら、三年目にか――はっはっはっ、もう三年留学の辞令を請け取ってしまえば得手に帆を揚げる才子でいらっしゃるから・・・内田 魯庵(著)『社会百面相』
  • 小さな劇団に入って、初めて主演の役をもらったという彼は、毎日得手に帆を揚げるように、生き生きと練習に取り組んでいる。

北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし:ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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