ことわざ
易者、身の上知らず
意味
他人の身の上の判断はするが、自分のことは何一つわからなくなることのたとえ。
類句
陰陽師身の上知らず
医者の不養生
紺屋の白袴
大工の掘っ建て
髪結い髪結わず
坊主の不信心
駕籠舁き駕籠に乗らず
補説
「易者」とは占いを仕事にしている、いわば占い師のことです。占い師は他人の運命は読み取ることができますが、自分のことは感情や欲が邪魔をしてうまく判断できなくなるといわれています。これを「人の事をあれこれ言うけれど、自分のことはわかっていない」と例えたものが「易者、身の上知らず」ということわざです。
他人のことに「ああだ、こうだ」と口を出すより、自分というものをしっかりと認識することの大切さを説いている、戒めの言葉とも解釈できます。
類句にもある「陰陽師身の上知らず」という同じ意味を持つ言葉が、中京いろはかるたに採用されています。
「易者、身の上知らず」の使い方

アヒルが走るの?おもしろそうだね~。

その場で仲良くなった人の言った通りのアヒルに賭けたら、オラは勝って、グッズもらえたんだニャン。でも、その人めちゃくちゃ外れてて、なんか申し訳なかったニャンよ。

まあ…易者、身の上知らずっていうから…。
「易者、身の上知らず」の例文
- 友達の相談に乗っていると適切にアドバイスできる気がするけれど、自分のことは悩んでばかりだ。易者、身の上知らずというやつなのだろう。
- 易者、身の上知らずっていうけど、あのお店の占いは全然当たらなかったので、他人のことも当てられらない占い師もいるんだなあと思った。
- 日頃生徒の進路相談に乗っているはずの教師の父が、息子の僕には全然それを活かせていないのは、易者、身の上知らずにもほどがあるのではないだろうか。
昨日動物園に行ったら、勝つアヒルを当てるとグッズがもらえる「アヒルチャンレース」っていうのをやってたんだニャン。