ことわざ
江戸っ子は五月の鯉の吹き流し
意味
江戸っ子は言葉づかいは荒いが、気持ちは物事にこだわらず、さっぱりしていることのたとえ。または、江戸っ子は口先の威勢のよさに反して、気が小さいことをあらわしたもの。
類句
江戸っ子は五月の鯉で口ばかり
補説
「江戸っ子は五月の鯉の吹き流し、口先ばかりで腸はなし」という川柳からできた言葉で、江戸っ子は口は悪いけれど悪気はなく、物事に細かくこだわらないという気質をあらわしているものです。
「五月の鯉の吹き流し」は鯉のぼりが風に吹かれて泳いでいる姿のことを意味しており、鯉のぼりの中は空洞であることから、気質がさっぱりしていることの例えとして使われています。一見するとポジティブで爽やかなことわざですが、「いざという時、実際の行動力に欠ける」という、マイナスの意味も持っている言葉です。
「江戸っ子は五月の鯉の吹き流し」の使い方

わあ~、ありがとう!これ、下町にある、有名なお店のお菓子だもんね!

でもその江戸っ子店主、いきなり奥さんらしき人とケンカし始めて、「出ていけ!」って怒ってたんだけど、「お前が出ていけよ!」って言い返されて、最後のほうはとってもしょんぼりしてたニャン。

江戸っ子は五月の鯉の吹き流しって、本当だったんだ…。とりあえず、お菓子おいしそうだから一緒に食べよう。お茶入れてくるね。
「江戸っ子は五月の鯉の吹き流し」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・お前がの、売り言葉に買い言葉で、三言四言饒舌れば男てえやつは腹に何もなくても、江戸っ子は皐月の鯉の吹き流し、口先ばかり腸はなし、だから癇に障ると出て往けと言おうが・・・初代三遊亭遊三『落語 厩焼失』
- ・・・後押しされ「バカがその気になって」、昭和49年、52歳で参議院選挙に立候補。「江戸っ子は五月の鯉の吹き流し、口先ばかりではらわたはなし。間違えて」当選、それ以来、3期18年、福祉・・・富澤 慶秀(著)『「東京漫才」列伝』
- ・・・さっぱりしてたんです。言っちまったらそれきりよ、て感じで腹黒さがない。江戸っ子は五月の鯉の吹き流し口先だけで腸はなし ああ、この雰囲気かな、あの人たちは江戸っ子だな、って・・・桂 さと子(著)『のほほん市中探検記』
隊長、ただいまだニャン。これ、お土産だニャンよ~。このお店の店主、とっても江戸っ子で元気だったニャン。