「越鳥南枝に巣をかけ、胡馬北風に嘶く」とは?使い方と例文でわかりやすく解説

「越鳥南枝に巣をかけ胡馬北風に嘶く」とは?使い方と例文でわかりやすく解説

ことわざ
越鳥南枝えっちょうなんしをかけ、胡馬北風こばほくふういなな

意味
故郷が忘れがたく、恋い慕っていること。

類句
故郷忘じ難し

補説
古代中国の詩集『文選』に掲載された詩に登場した言葉です。「中国南方の越の国から来た渡り鳥は、木の南側の枝に巣をつくり、北方の胡の国から来た馬は、北風が吹いてくると生まれた場所を懐かしみ、鳴き声をあげる」という形で、故郷を恋しく思う心を綴っています。
家族や友人の顔に会いたくなったり、楽しい思い出の詰まった場所を思い出したりと、誰しもが持つ「大切な人や場所を思う深い気持ち」が詰まっています。

「越鳥南枝に巣をかけ、胡馬北風に嘶く」の使い方

猫くん

この間、テレビにオラの地元の食堂が出てたんだニャン。

ことわざ隊長

猫くんの実家のあたり、行ったことないけど、どんなところなの?

猫くん

気候も人も、穏やかで過ごしやすい場所だニャンよ。テレビに出てた食堂も、優しいおばあちゃんがひとりでやってて、ラーメンがとってもおいしいんだニャン。なんか、帰りたくなっちゃったニャンね。

ことわざ隊長

越鳥南枝に巣をかけ、胡馬北風に嘶く心だね~。帰りたいと思った時には、きっと帰った方がいいよ。僕もそのラーメン、食べてみたいなあ。

「越鳥南枝に巣をかけ、胡馬北風に嘶く」の例文(文学作品などの使用例)

  • この春から地元を離れて就職したが、都会暮らしになじむことができず、越鳥南枝に巣をかけ、胡馬北風に嘶くという気持ちがとてもわかる。
  • 大学に入ると同時に一人暮らしを始めた息子だが、越鳥南枝に巣をかけ、胡馬北風に嘶くをこじらせてしまったのか、地元で就職を決めて実家に舞い戻ってきてしまった。
  • 越鳥南枝に巣をかけ、胡馬北風に嘶くというが、急に訪ねてきた同級生に会って初めて、自分は心細かったのだという自覚ができた。

北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし:ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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