ことわざ
海老で鯛を釣る
意味
小さなものを与え、その代わりにもっと価値のあるものを得ることのたとえ。
類句
海老鯛(海老で鯛を釣るの略)
麦飯で鯉を釣る
蝦蛄で鯛を釣る
一粒万倍
対義
骨折り損のくたびれ儲け
補説
「小さな負担を元手にして、大きな利益を得る」という意味のことわざです。日本では江戸時代の中期ごろから使われるようになったといわれていて、類句にもある通りに、日常のくだけた会話では「海老鯛」と略して用いられることがあります。
海老の中には伊勢エビなど、とても高級なものもあるため「大きな利益のためには、それなりの投資が欠かせない」と解釈している人もいますが、これは誤用です。
あくまで「買っても懐が痛まない、安価な小さい海老で高級魚の鯛が釣れる」という幸運をあらわしているものなので、注意しましょう。
ちなみに、実際に海老で鯛を釣ることはできるそうで、ほかにもホウボウやカサゴ、カレイなどの魚も食いついてくれるとのことです。
英語
To throw a sprat to catch a herring.(小魚を投げてニシンを獲る)
英語の声:音読さん
「海老で鯛を釣る」の使い方

何だい、この、ものすごく大きなワンちゃんのぬいぐるみは…。

コンビニでやってたくじを一回だけ引いたら、いきなり一等の「ぼうにあたるイヌ」のビッグぬいぐるみが当たってしまったニャン。

絵に描いたように海老で鯛を釣ることに成功している…。
ところで、なんでこのワンちゃん白目むいてるんだろうと思ってたんだけど…「ぼうにあたるイヌ」…当たったのか、棒に…。
「海老で鯛を釣る」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・有り難いとはいうものの海老で鯛を釣ったかたちでいささか恐縮したことであった・・・中 勘助(著)『きもの』
- ・・・甚だしきに至っては、ビイルを二本くらい持参して、まずそれを飲み、とても足りっこ無いんだから、主人のほうから何か飲み物を釣り出すという所謂いわゆる、海老鯛式の作法さえ時たま行われている・・・太宰 治(著)『酒の追憶』
- 一枚だけ買ったスクラッチくじで数千円が当たったので、海老で鯛を釣るとはこういうことなんだなあ、と考えていたらお寿司が食べたくなってきた。今日は家族で外食をすることにしよう。
「ことわざモンスター」のくじ、まさかの一等だったニャン。これ、どこ置こうかニャン。