ことわざ
暑さ忘れりゃ蔭忘る
意味
苦しかった時に助けてくれた人への恩を、すぐに忘れてしまうことのたとえ。
類句
喉元過ぎれば熱さを忘れる
雨晴れて笠を忘る
病治りて医師忘る
魚を得て荃を忘る
補説
「苦しい時期を過ぎるとすぐに、救ってくれた人への恩を忘れてしまう」ということを、暑さが和らぐと同時に、強い日差しから守ってくれた物陰のありがたさを忘れてしまう、と例えています。
感謝の気持ちを忘れることが早い、人間というものの短気さや忘れっぽさに対する批判と戒めの言葉です。
「蔭」を「影」「陰」と表記している場合もありますが、読みはみな同じく「かげ」で、意味も同じです。
「暑さ忘れりゃ蔭忘る」の使い方

猫くん、誰かに手紙書いたんだ。珍しいね。

この間落ち込んだ時にお笑いライブを見に行ったら元気が出たから、芸人さんにお礼のファンレターを書いたんだニャン。

暑さ忘れりゃ蔭忘るっていうけど、つらい時に支えてくれた、って思う気持ちだけは忘れないようにしたいよね~。
お客さんからそんな手紙をもらったら、芸人さんすごく嬉しいだろうなあ。
「暑さ忘れりゃ蔭忘る」の例文
- ・・・安穏に都に置くは、皆義経がお蔭ではないか。暑さ忘るれば影忘るる・・・竹田 出雲(著)『浄瑠璃 右大将鎌倉実記』
- 拾った子猫が少し家に慣れてくると、私を顎で使うように態度が大きくなった。人も猫も、暑さ忘れりゃ蔭忘るものなのだろう。
- 暑さ忘れりゃ蔭忘るという言葉があるが、遠い昔の偉人への感謝の念を、子々孫々に受け継いで大切に祀っている土地もあったりするので不思議だなと思う。
これでよし、と!隊長、オラは郵便局に行ってくるニャン。