ことわざ
暑さ寒さも彼岸まで
意味
厳しい暑さや寒さもお彼岸の頃までで、それを過ぎると和らいでくることのたとえ。
異形
暑さ寒さも彼岸ぎり
類句
寒さの果ても涅槃まで
対義
彼岸過ぎまで七雪
補説
「彼岸」とは、3月中旬の「春分の日」と、9月中旬の「秋分の日」の頃にそれぞれある、7日間の時期のことです。
夏や冬の厳しい気候もそのころまでで、その後は徐々に和らいでくることを意味することわざですが、「つらい困難も、時間が経つにつれて良くなっていく」という、人生においての深いメッセージも含んでいます。
江戸時代の俗語を収めた辞書である「諺苑」にも記載されていたことから、その頃にはすでによく使われていたことわざであるとみられています。
正岡子規が「毎年よ彼岸の入りにさむいのは」という句を残しており、これは正岡の母親が呟いたことをそのまま使った、といわれていますが、このことわざからとったものではないか、という説もあるようです。
「暑い寒いも彼岸まで」「熱い寒いも彼岸まで」などと表記されていることもあります。
「暑さ寒さも彼岸まで」の使い方

大丈夫!?確かに、両手に買い物袋を持った僕たちには、過酷な天気だね…。本当に寒い…。

いつになったら暖かくなるんだニャン!?こんなに寒いのも、転んで痛いのも、オラはもう嫌だニャン!

猫くん…つらいことは、やがて終わるんだ…暑さ寒さも彼岸までだよ、耐えよう…。だからまずは立ち上がって、早く帰ってお風呂に入ろう…。
「暑さ寒さも彼岸まで」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・ 昼夜の長さがほぼひとしくなるのが、秋分(九月二十三日ごろ)。「暑さ寒さも彼岸まで」の彼岸の中日。もち米とうるち米とをまぜて炊き、つぶしてまるめて、餡や黄粉をつ・・・嶋岡 晨(著)『「四季のことば」辞典』
- ・・・涼しくなってきた日おた福屋のおはぎ―ようやく秋が来てくれはった。 「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもので、京都でも秋分の日にさしかかる頃には、気が狂いそうだった暑・・・谷 千佳世(著)『京都いと、お菓子。』
- ・・・「熱い寒いも彼岸まで」とは土地の人がよく言うことだが、彼岸という声を聞くと、ホッと溜め息が出る・・・島崎 藤村(著)『千曲川のスケッチ』
イタタ…転んじゃったニャン…!本当にひどい雪だニャン…!