ことわざ
後の祭
意味
物事が終わってしまった後に悔やんでも、どうにもならないことのたとえ。
類句
後薬
死んだ後の祭り
後悔先に立たず
覆水盆に返らず
証文の出し遅れ
祭り過ぎてのとちめんぼう
喧嘩過ぎての棒ちぎり
六日の菖蒲十日の菊
遅かりし由良助
補説
このことわざには、二通りの解釈が存在しています。
一つは、比較的軽い意味で使われる「チャンスを逃した後で悔やんでも遅い」という意味で、現代でもよく耳にする使われ方をしています。
二つ目は、類句にある「死んだ後の祭り」と意味を同じくするもので、亡くなった人に対し、残された人の後悔を例えたものです。
ルーツは日本のお祭にあり、お祭が終わった後に会場に現れても楽しみがないこと、お祭で使った山車はお祭の後には出番がないこと、京都の祇園祭で行われる「後の祭」には山車が出ず、見ごたえがないことなどを理由に、手遅れであることに対して、この例えが使われるようになりました。
「後の祭」の使い方

猫くんずいぶん慌ててるね。何かあったの?

親戚の子に買ってあげるって約束したゲームソフトが今日発売日だったニャンね…オラすっかり忘れてて…。
今、急いでお店に行ったらもう売り切れてて、入荷未定だったニャン…。

うわ~!後の祭といえばそれまでなんだけど、大事件じゃないか!
僕も一緒に探してあげるから、絶対に諦めないで!
「後の祭」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・もっといろいろな所へ遊びに行っておくべきだった。しかし、いまさら何をどう思おうと後の祭だ。 これからオレはオマエとの笑顔のともしびを消さないようにガンバっていきたい。・・・鎌形 睦美(著)/ 鎌形 芳行(著)『ふたり』
- ・・・「んが?」 さすがの番人も気配を感じてモラの腕を振りほどいたが、もう後の祭だ。俺は軽々と身を躍らせると、番人の脳天に思いきり魔剣を打ちおろした。ボボオッ…・・・中村 うさぎ(著)『極道くん漫遊記』
- ・・・欣ぶような顔色を示した。が、彼の忠告は間に合っただろうか。いな、彼の忠告は、後の祭だった。一時間だけ、遅れ過ぎた。 彼の忠告は、災禍の火を未然に消す風とならずして・・・菊池 寛(著)『真珠夫人』
やっちゃったニャン、どうしよう…。