「後の雁が先になる」の意味と使い方と例文(類句)

後の雁が先になるの意味と使い方と例文

ことわざ
あとかりさきになる

意味
後から来た人の能力が、元いた人の能力をしのぐこと。
または、若い人が年長者より先に亡くなることのたとえ。

類句
後の舟かえって先になる
後の烏が先になる
先の雁が後になる

補説
雁は並んで飛ぶ鳥ですが、後方にいた雁が前に出てきてその列が乱れる様子を、先に行く人が油断している間に、それを追い越していく人の姿にたとえています。
追い越す様子を表すことわざのため、「後の雁が先になるように、そろそろ引退する」といったような、後進のために自ら道を譲る場面で使用するのは適切ではありません。
後輩が先輩の力量を追い越していく、という意味のほか、年長者より先に、若い人が亡くなってしまったときにも使われる言葉です。

「後の雁が先になる」の使い方

助手猫

オラ、町内のマラソン大会で八百屋のおじいちゃんに負けて、優勝賞品の高級かつおぶしセットをもらえなかったんだニャン。

ことわざ探検隊

八百屋さん、元気なおじいちゃんだとは思ってたけど、足も速いんだね~!

助手猫

来年も一緒に出るって八百屋のおじいちゃんと約束したから、オラ、今からコツコツ練習するニャン。次は絶対おじいちゃんに勝って、高級かつおぶしをもらうニャンね。

ことわざ探検隊

スポーツで結ばれた熱い約束だね!
世の中、後の雁が先になることもあるし、努力は裏切らないよ、がんばって!

「後の雁が先になる」の例文

  • 最近入社した新人は仕事ができると評判で、先輩たちは皆一様に、後の雁が先になることを恐れている。
  • 近所の野良猫たちの中に新顔が入ってきたのだが、後の雁が先になる何かがあったようで、数日後には新顔が地域のボス猫になっていた。
  • バイト先の後輩がいきなり会社を立ち上げて、僕を雇ってくれた。後の雁が先になると思うと少し悔しいが、同時に頼もしいなと思っている。

北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし:ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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