「頭の蠅を追え」の意味と使い方と例文(類句)

頭の蠅を追えの意味と使い方と例文

ことわざ
あたまはえ

意味
人の世話を焼くよりも、まずは自分のことをしっかりするべきだ、ということ。

類句
頭の上の蠅を追え
我が頭の蠅を追え
我が身の蠅を追え
我が蜂払え
人の事より我が事
高嶺たかねの花を羨むより足元の豆を拾え
人の事より足元の豆を拾え
人の蠅を追うより我が頭の蠅を追え
めいめい自分のはなをかめ

補説
自分の頭上の蠅も満足に払えていないのに、他人の世話を焼こうとする人のお節介を批判する言葉です。
「頭の蠅」は、頭の周りを飛び回る厄介なもののことですが、ここでは身に振りかかっている問題や、不始末そのもののことを指しています。

「頭の蠅を追え」の使い方

助手猫

さっき電車の中で、たちの悪い人に絡まれた女の人をかっこよく助けてるおじさんがいたニャンね。

ことわざ探検隊

いい人だったんだね、世の中捨てたもんじゃないなあ。

助手猫

でもそのおじさん、なんかの事件で指名手配されてる人だったみたいで、駅についてすぐ、絡んだ人より厳重な体制でおまわりさんに連れていかれてたニャン。

ことわざ探検隊

それはなんというか…とんでもない現場を見ちゃったね…。
親切心だったのかもしれないけど、まずは頭の上の蠅を追えだよ、おじさん…。

「頭の蠅を追え」の例文(文学作品などの使用例)

  • ・・・面々の思ひ付次第天窓あたまの蠅を追ふべきなりとて、散々いひ込められける・・・馬場 文耕(著)『浮世草子 世間御旗本容気』
  • ・・・へん、親の謗りはしりよりかちっと自分の頭の蠅でもおうがいいや・・・二葉亭 四迷(著)『浮雲』
  • ・・・進学できなかった不満を口にし、社会体制の悪を批判する寺島に、百姓の父は「自分の頭のハエも追えないものが何をいっても、人は信用しないわい!」と一喝したという。政治体制が・・・天野 正子(著)『「つきあい」の戦後史』

北澤篤史サイト運営者
1984年(昭和59年)、大阪府生まれ。言葉への関心が高じ、「ことわざ」「漢字」「四字熟語」をテーマに複数のウェブサイトを立ち上げる。これらのサイトは、小中学校の教材として利用されるほか、単語カードやタイピングゲームなど多様な形で活用されている。ことわざ学会研究フォーラムでは、「備えあれば憂いなし:ことわざを通して意識づける災害時の命を守る知恵」「WEB上でのことわざ探求:人々が何を知りたいのか」などをテーマに研究報告を行う。著書に『マンガでわかる 漢字熟語の使い分け図鑑』(講談社)、『マンガでわかる すごい!ことわざ図鑑〈試験に出る〉』(講談社)がある。

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