ことわざ
飴と鞭
意味
しつけなどをする時、甘い面と厳しい面を兼ね備えていることのたとえ。
または、おだてとおどしの両方で他人を支配していること。
類句
人参と鞭
補説
19世紀のドイツで、貧しい国民を救済するための社会保険制度の基盤を作って国を変え、その一方では社会主義者鎮圧法を作って国民を制圧していた、ビスマルクという宰相の政治的手腕を評した言葉から生まれたことわざです。
もとは「甘パンと鞭」という慣用句だったものが、飴に変わっていったとされています。
飴は優しい譲歩、鞭は厳しい弾圧を指しており、バランスの良い指導方法を指す意味合いのほか、そうした手法で他人を支配するという意味も持つ言葉です。
「飴と鞭」の使い方

何だ、その拳法は…。そんなに練習厳しいんだね~、大丈夫なの?

先生の奥さんがお魚たっぷりの美味しいごはんを作ってくれてて、練習後はそれをみんなで食べるんだけど、その時は先生も褒めてくれたりするニャンね~。

飴と鞭がちゃんと分かれてて、すごくいい道場じゃない!
試合に出ることになったりしたら、見に行くから教えてよ。
「飴と鞭」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・ねえ平民の若造だが、愛国心って奴は誰にも負けちゃいねえ。それだけは誇っていい」 飴と鞭の使い分けは、この男がもっとも得意とするところだ。 「信念のねえ奴はダメだが、信・・・千葉 暁(著)『聖刻群龍伝』
- ・・・望ましいのだ。きみはさっき躾るといったが、わたしは彼を、それこそ犬でも飼うように飴と鞭とで一方的に教育するつもりはない。彼にひとつなにかを教えることで、わたしもまた彼・・・井上 淳(著)『盲目の女神』
- ・・・レッドはテーブルに身をのりだした。 「もう一度最初から聞こう」飴と鞭 を使い分けるとか、容疑者の顔に白色光を当てて自白を促すといったことはしていない。・・・ボリス・スターリング(著)/ 野沢 佳織(訳)『メサイア』
オラ最近、ネコパンチ拳法の道場に通い始めたんだけど、先生がすごく厳しいんだニャン。