ことわざ
悪銭身に付かず
意味
不正な手段で手に入れたお金は、手元に残らないことのたとえ。
類句
あぶく銭は身に付かず
人垢は身に付かぬ
対義
正直の儲けは身に付く
補説
悪銭とは、品質が粗悪な銭のことを指すこともありますが、ここでは不正な手段や働かずに手に入れたお金、いわゆる「あぶく銭」のことを指しています。
身に付かずとは「長く持っていることができない」ということで、すぐに使ってしまったり、罰が当たって没収されてしまったりと、結局自分の物にはできない、という意味になります。
英語
Easy come,easy go.(簡単に手に入れたものは、簡単に出ていく)
英語の声:音読さん
「悪銭身に付かず」の使い方

ちゃんと警察に届けた?

いや、あとで行こうと思って、とりあえず持ってきてるニャンね…ムムッ、ポケットに穴が空いてるニャン!?拾ったばかりの100円玉を落としたニャン!

猫くんはあとで届けるつもりだったみたいだけど、悪銭身に付かずだからね~。今度からは見つけたら、すぐ交番に届けるようにしよう。
「悪銭身に付かず」の例文
- ・・・いつも、しこたま、もうけている。けれども、悪銭身に付かぬの例えのとおり、酒はそれこそ、浴びるほど飲み、愛人を十人ちかく養っているという噂・・・太宰 治(著)『グッド・バイ』
- ・・・もし悪銭は身に付かずとはよく申したもの、僅二月たつかたたぬにみな耗(す)ってしまひました・・・河竹 黙阿弥(著)『歌舞伎 三人吉三廓初買』
- 彼はよくギャンブルで勝つと食事を奢ってくれるが、悪銭身に付かずなのか、すぐに使い果たしてしまっているようだ。
さっき、100円玉を拾ったニャン。