ことわざ
悪事千里を走る
意味
悪い行いや悪い噂は、あっという間に周囲へ広く知れ渡ってしまうことのたとえ。
類句
好事門を出でず悪事千里を走る
人の噂は倍になる
悪い噂は翼を持つ
隠すこと千里
人の口には戸が立てられない
隠すより現る
対義
好事門を出でず
補説
このことわざは、中国の孫光憲という人物の残した書物『北夢瑣言』に登場する、「好事不出門、悪事行千里(好事門を出でず、悪事千里を走る)」という言葉から生まれました。
ここでの悪事は、法や道徳に背くことを指し、千里は極めて遠い場所を意味しています。
悪い行いは千里を駆け抜けるかのように、あっという間に周囲の人に知られてしまう、という戒めのことわざです。
縮めた表記で、「悪事千里」とされていることもありますが、意味は同じです。
英語
Bad news travels fast.(悪いニュースはすぐ広まる)
英語の声:音読さん
「悪事千里を走る」の使い方

ちょっと猫くん!お使いのおつりでおやつ買ったでしょ!

もうバレたニャン!?い、いや、オラ、そんなことしてないニャンよ!

嘘ついてもダメだよ、駄菓子屋のおばあちゃんが、猫くんがさっきおやつ買いにきたって言ってたんだから。
悪事千里を走るってことわざもあるんだから、正直に謝ろうね。
「悪事千里を走る」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・大筑紫にぞお着きある。 コト.ハ大筑紫にもお着きあれば、屋形の中に千部の経の音がする。石童丸は聞こしめし、悪事千里を走るとは、ここの誓えを申すかや。母□へ様の御・・・荒木 繁(著)『説経節 山椒太夫・小栗判官他』
- ・・・入りするのは良くないとなあ」 「ほんの遊びだ。あんな事が耳に入る筈はないよ」 「悪事千里を走るという、なあ、恒さん、あれだけは止したがいい。おれらも、痩せても枯れても御旗本だ・・・子母澤 寛(著)『逃げ水』
- ・・・されば悪事千里を走る。虎林といへる掃除坊主、前後の小柄を盗み取る事、自然と顕れ、世の掟とはなりける。かの団八、年久しく武士の勤めを退屈して、大正寺の門前なる民家・・・井原 西鶴(著)『新可笑記(井原西鶴集)』
ふう…買い物も終わったニャン。一息つくニャン。