ことわざ
仇を恩で報ずる
意味
恨みがある相手に対し、報復することなく逆に情けをかけること。
類句
怨みに報ゆるに徳を以ってす
仇を情けにひきかえる
補説
中国の思想家である老子の「怨みに報ゆるに徳を以ってす」という言葉から誕生したことわざです。
老子は「人為的な細工をしない生き方」を「無為」、「何事もしないこと」を「無事」、「好悪を持たぬこと」を「無味」と定義し、力で無理に何かを押し通すことなく、のびのびと調和のとれた、自然な生き方を許容する考えを持っていました。
この考えの一環として、この言葉を説いていたのです。
ここでの「仇」は恨みや敵意を意味し、「恩」は親切や優しい行いを指しています。
「仇を恩で報ずる」の使い方

すごくわかりやすいお名前の猫ちゃんだね…。それはちょっと、せっかく集会してもギスギスしちゃうんじゃない?

でも、なんか馴染めてないからってだけな気もして、ちゃんとみんなで面倒見てたら、イヤミも楽しそうに来てくれるようになったニャンね。
明日の集会は、そのイヤミの提案で、ご当地にぼしの食べ比べ会をするんだニャン。

仇を恩で報ずる、素敵な人づきあいだね。猫集会って何なのかよくわからないけど、優しい猫たちの集まりなんだなあ。
僕も、猫くんたちを見習うよ。
「仇を恩で報ずる」の例文
- ・・・よしよし慈悲は上より下り、仇をば恩にて報ずるなれば、汝が知行それは相違あるべからず・・・著者不明『大観本謡曲 藤栄』
- 決して良い教え子とは言い難かった私に、仇を恩で報ずる人そのものだった担任の先生は、いつも優しくしてくれた。
- どんなに嫌なことをする相手に対しても、仇を恩で報ずることができる幼馴染のことを、僕はずっと尊敬している。
猫集会に、すっごく嫌なことばっかり言う、イヤミってやつが来るようになったんだニャン。