ことわざ
あちら立てればこちらが立たぬ
意味
一方を選ぶともう一方の立場がなくなってしまい、両立が難しいことのたとえ。
類句
出船によい風は入船に悪い
彼方によければ此方の怨み
頭押さえりゃ尻上がる
両方立てれば身が立たぬ
猫が肥えれば鰹節が痩せる
東に近ければ西に近い
補説
物事を両立するのは難しく、両方にとっていい結果を同時に得るのは、とても難しいことである、と教えてくれることわざです。
どちらかを優先すればどちらかに義理を欠いてしまうような状況下で、次になかなか進みづらい時に、心の中で自問したり、相手に気持ちを吐露する場面などで使います。
英語
You can’t please everyone.(誰もが気に入るようにはできない)
英語の声:音読さん
「あちら立てればこちらが立たぬ」の使い方

猫くんが頭を抱えて困ってる!すごく珍しい!

ライバル同士の野球チームをそれぞれ好きな友だちが喧嘩を始めて、オラ、ずーっと板挟みなんだニャン。
でもオラ、どっちのチームもそんなに詳しくないから、わかんないニャンね~。

あちら立てればこちらが立たぬで、それは困っちゃうね~!
好きなチームが違うだけで、野球が好きって点では同じなんだし、早く仲直りしてくれたらいいね。
「あちら立てればこちらが立たぬ」の例文
- ・・・「そういう時には臨機の処置をとって、両方の顔を立てるといい」「でもあちら立てればこちらが立たず、両方立てれば身が立たず、であります」・・・田河 水泡(著)『のらくろ自叙伝』
- 私の職場には大きな派閥が二つあって、あちら立てればこちらが立たぬの状況に常に悩まされている。
- 話題の新作映画は大物の俳優が二人も出ているけど、撮影中にあちら立てればこちらが立たぬの状況になったりはしないのだろうか。
参ったニャン…参ったニャン…。