ことわざ
あばたも靨
意味
惚れた目で見れば、相手の欠点もかわいらしい長所にみえてくることのたとえ。
類句
愛、尾烏に及ぶ
尾烏の愛
惚れた欲目
面面の楊貴妃
禿が三年目につかぬ
対義
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い
親が憎けりゃ子も憎い
補説
「あばた(痘痕)」とは、天然痘が治癒した後に残る、皮膚が陥没したような跡のことをいいます。
顔に傷を作ってはならないとされてきた昔の女性たちとって、顔にできたあばたは深刻な欠点であり、コンプレックスでした。
欠点ですらかわいらしく見えるほどに、好きな相手に入れ込んでいることを「顔にあばたがあっても、それがえくぼに見えてしまう」と例えています。
「あばたも靨」の使い方

なんかすごいニオイがすると思ったら、猫くん、また納豆キムチカレー食べてたんだ…。

こんなにくさいのに、いいニオイな気がして食べたくなっちゃうニャンね。不思議だニャン。

他の人からしたらくさいと思っても、好きな人からしたら、それがたまらなくおいしいニオイなんだろうね。あばたも靨って言葉があるくらいだし。ところで、僕の分もカレー残ってる?
「あばたも靨」の例文(文学作品などの使用例)
- ・・・愛する者が自らの情熱に駆られて愛する対象を盲目的に評価してしまうようなもの(あばたもえくぼ)であろう。それらは生の情熱に深く根ざす誤謬であるがゆえに、“根本的誤謬”と言わ・・・田島 正樹(著)『ニーチェの遠近法』
- ・・・電話でのやりとりも含め、多くは声の印象抜きにはありえません。 もちろん、「あばたもえくぼ」。惚れられたら声などどうでもよくなるとも言えますが。逆もあります。声に惚れたら・・・福島 英(著)『「愛される声」に生まれ変われる本』
- ・・・恋愛とは陶酔ですから、いつでも相手を冷静に、まるで科学実験のモルモットでも調べるように眺めるというわけにはいかない。恋愛をすれば、どうしても相手のアバタもエクボと見えるのは当然でしょう・・・遠藤 周作(著)『恋愛とは何か』
ウ~ン、なんでこんなにクセになるニャンね~。モグモグ。