ことわざ
羹に懲りて膾を吹く
意味
一度の失敗に懲りて、必要以上に心配し、用心することのたとえ。
類句
蛇に噛まれて朽縄に怖じる
黒犬に噛まれて赤犬に怖じる
黒犬に噛まれて灰汁の垂れ滓に怖じる
舟に懲りて輿を忌む
火傷火に怖じる
対義
焼け面火に懲りず
補説
「羹」とは肉や魚を煮た熱い汁物のことで、「膾」とは酢などで味付けをした冷たい料理のことです。
一度の失敗に懲りて、過剰な用心をする人のことを、熱い汁物でやけどをして、膾のように冷たい料理にまで息を吹きかけて冷ますことにたとえています。
中国の屈原という詩人の残した「惜誦」という詩の一節から引用された言葉です。
「羹に懲りてあえ物を吹く」とされていることもあります。
英語
A child burnt dreads the fire.(やけどした子供は火を怖がる)
英語の声:音読さん
「羹に懲りて膾を吹く」の使い方

あれ猫くん、コーヒー飲んでる。この間安いからってまとめ買いしてたマタタビエナジードリンク、全部飲んだの?

あれ、一本飲んだけど全然美味しくなかったんだニャン。あれ以来新発売とか怖くて、手が出せなくなっちゃったニャン。

僕もこの間、初めて行ったお店でメニュー選び間違えたから、その気持ちはすごくわかるよ。羹に懲りて膾を吹く感じになっちゃうんだよね。
「羹に懲りて膾を吹く」の例文
- ・・・羹に懲りて膾を吹くは、株を守って兎を待つと、等しく一様の大律に支配せらる・・・夏目漱石(著)『虞美人草』
- 僕の父は優しいが気が小さく、羹に懲りて膾を吹く上に、その膾をもう一度冷蔵庫に入れて冷ますような用心深い人だ。
- 昨年騙して動物病院に連れて行ってから、愛犬は羹に懲りて膾を吹くかのように散歩を警戒するようになった。
…やっぱり、いつものミルクコーヒーが一番ニャンね~。